丸いだけじゃないです。 – スポークの違い「太さの巻」
さあ、前回はスポークのメーカー別の特徴をご紹介しましたが、次はスポーク自体の形状にフォーカスしてみましょう。
丸いスポークをよく見かけると思いますが、もちろんそこにも種類があり、理想とする使い方に合わせて選択するとより快適な走り心地を生み出すホイールに出会えることになります。
今回はPhil Wood / フィルウッドのスポークを例に紹介します。
まずは14番や#14、No.14と呼ばれる太さ2.0mmのスポークから。
実は前回ご紹介した3ブランドのスポークは全て14番のもので、剛性と重量のバランスが良いためこの太さがスポーツバイクの定番とされています。
僕らが組んでいるホイールでも一番多く使用しており申し分ない感触なのですが、そこはやはり乗り手に合わせてチョイスするのが手組みホイールの真骨頂。
では別のタイプを見てみましょう。
スポークはその数字が大きくなると細くなるため14番よりも細い、15番と呼ばれる太さ1.8mmのスポークもあります。
細くなるため14番と比べると剛性は劣りますが、しなやかで軽量に仕上げることができます。 体重の軽い方やロードレーサーのホイールに選ばれることが多いです。
うーん… どちらも捨てがたい… という方にはこんなものもございます。
首元から約23mmが2.0mm、そこからは1.8mmに細くなり、ニップル部分に向けて2.0mmに戻る、ダブルバテッドタイプ。
剛性と軽さの両方を良いバランスで備えており、良いとこ取りのスポークですね。
いや! マウンテンバイクでガッツリ山を下りるぞ! 荷物満載でツーリングするぞ! ストリートでガンガンに乗るぞ! というタフネス欲張りな方にはコチラを。
首元から約52mmは、数字が小さくなり太さ2.2mmの13番、そこからニップル部分に向けては2.0mmとなる、シングルバテッドタイプ。
重量はありますが引っ張りやしなりの強度は十二分にあり、フィルウッドのラインナップの中で最も強いスポークです。
フィルウッドではこの4種類がラインナップされていますが、DT-Swissでは14番と15番のストレートタイプ、星スポークではストレートタイプに加えて、「2.0mm – 1.8mm – 2.0mm」と「1.8mm – 1.6mm – 1.8mm」のダブルバテッドタイプがあり、メーカーそれぞれの特性と組みわせることで、ホイールの特性は無限に広がっていきます。
まずは理想とする乗り方をイメージしてみましょう。 スムーズにスピーディーに目的地に着きたい、面白そうなグラベルがあったら寄り道したい、世界一周みたいなツーリングがしたい、頑丈に長く安心して使いたい。
ぼやーっとでも大丈夫ですのでそのイメージを僕らに伝えて頂ければ、貴方に合った貴方だけの手組みホイールをご提案いたします。
より長く自転車を使い続ける秘訣は、足元にこそあるかもしれませんね。