六角の隅をつつきましょう – UNIOR & SILCA Hex Wrench.
A:アーレンキー!
アーレンキー? と首を傾げた方も少なからずいらっしゃるでしょう。
一般的には「六角レンチ」と呼ばれる、上の写真のような工具を見たことはありませんか?
遡ること100年ちょっと前、アメリカの工具メーカー1910年にAllen Manufacturing Company社が「四角形のボルトでは作業員の服に引っ掛かり危険なので改善しよう!穴を六角にすることでボルト外径が円に出来るぞ!」や「従来のプラスやマイナスのドライバーよりも接地面が増えて、ネジ穴を壊しづらく出来る!」などなど、当時の開発者の閃きと努力によって六角レンチが発明されたようです。
そして、ママチャリからスポーツバイクまで僕たちが乗る自転車は多くの箇所には六角形の穴があるボルトが使われています。 そのため、六角レンチを多く使う自転車業界ではその社名から、「アーレンキー」や「アーレン」と呼ばれるようになったそうな。
言うなればアーレンは商標の呼び名のため、一般には六角形=Hexagonから来ている「ヘックスレンチ」と呼ぶことが多いですね。

当たり前ですが、工具ひとつにも面白いエピソードがあります。
ただ、こういった類のお話はネットで少し調べれば誰でも簡単に分かってしまいますが、その工具の良し悪しや感触は実際に使ってみないと分かりづらいものです。
「でも、工具なんて使えれば何でもいいでしょ?」・・・そんなことはありません!
“とりあえず”なヘックスレンチでは、ボルトとのサイズは合っているのカタついてしまうことがあります。 その状態でボルトを回してしまうと、ほとんどの場合は穴側の角が潰れてしまいます。 このことを「ナメる」と言います。 一度ナメてしまったボルトはプライヤーや特殊なペンチで挟んで回すのですが、固着しているものや出っ張りの少ないものを扱うのは結構大変な作業になってしまいます。
そうはなりたくない、させたくない。 と様々なメーカが精度の良い工具を出している訳なのです。 今回はその中でも、僕たちが普段使っているものをご紹介します。
1つ目は、カルチャークラブのレンタルピットでお馴染みのUNIOR / ユニオールのヘックスレンチセットです。

UNIOR ボールエンド ヘックスレンチセット ¥4,500+Tax
しっかりとした硬さがあり、細いサイズのレンチでより効果を発揮してくれます。
一般的なものよりも長いためクランク取り外しなどの大きな力が必要なときでも安心ですね。
2つ目は、先日シムワークスに入荷したSILCA / シリカのHX-TWOです。

SILCA HX-TWO TRAVEL KIT ¥9,200+Tax
9段階にも及ぶ熱処理工程を経たS2工具用鋼材から丁寧に製造されたヘックスレンチとTorx®レンチ(THOMSONやFizikのステムなどで採用されている星型のボルト)がセットになっています。 また、ヘックスツールはサテンクロム仕上げの上にグリップ性能が高いポリマーコーティングを施されており、軽く握った時や力を入れたいときでも滑りにくくなっています。
実際に使ってみると軽くしなるのでオーバートルクも防ぐことが出来そうです。
そして今回の重要なポイントのはコレ。
ボルトの穴に入れた時にカタつきがなく、カチッとはまること。

どちらのメーカのヘックスレンチも高精度の六角形の角がボルトの穴を捉えることで、余計な動きが生まれません。 この精度なら安心して自転車を組み立てることが出来ます。 (どんな工具も入りが浅い状態で回してしまうとナメる危険性があるため、そこは要注意です!)
無意識に何となく選んでしまった工具によって、その後の時間やお金を無駄にしてしまうこともあります。
今回ご紹介したSILCAとUNIORの工具はレンタルピットでお使い頂けますので、気になった方は是非お試しください。 (8月末までは、レンタルピットを1時間以上ご利用の方にPFPが1つプレゼンされる「Let’s USE 1 GET 1 FREE」も実施中です!)
工具もボルトもナメてしまっては終わりですよ。