ゴソッと替えて、ガチッと固定。 – クイックリリースをナットタイプへ交換
動いて欲しくない時には動かなくて、動いて欲しい時には動く。
大好物が食べても減らない、みたいな夢に近いような願い。
自転車にも、その願いを叶えたい時があります。 それは特に、SURLY / サーリーのフレームで起こること。
ギアードもシングルギアも小技でスムーズに出来ちゃう万能モデル Cross-Check / クロスチェックに代表される、ハブの位置をスライドできるリアエンド。
これはチェーンテンショナーなどを使わずにホイールを引くことでチェーンを張れる言わばトラックエンドなのですが、この手のフレームは「ギアード(変速)」にも対応させているため、エンド幅が130mmや135mmであることがほとんどです。 なので、シングルギアで組もうとしても、エンド幅が120mmの通常のトラックハブはそのままでは使用できません。
トラックハブはバックを踏んだりスキッドをすることを想定しているため、ナット締めやボルトオンで強く締め込むことができます。 もちろん今では広いエンド幅に対応したシングルハブもありますが、将来的にギアードにする時には新たにホイールを組まなければなりません。
そして一番の悩みは、エンド幅の合ったギアード用のハブのクイックリリースのレバーを強く締め込んでも、強い力が加わったり長く使い続けるとチェーンが引っ張られる前方向にズレて来てしまうことがあるといこと。
万事休す….ではありません。
絶対とまでは残念ながら言い切れませんが、「固定して動きづらい」ギアード用のハブにすることはできます。
ということで、今夜のオペを始めましょう。 用意するものはこちら。
願いを叶えたいギアード用のハブ、シマノさんがラインナップしているナットタイプの長いハブシャフト、そしてハブスパナ。
これだけで準備OK。
ハブスパナでナットを外し、ベアリングボールも合わせてゴソッと抜き取ります。 (シールドベアリングの場合はハブシャフトによってベアリングが圧入される位置が異なるため、この作業が出来ない場合がほとんどです。)
長いシャフトにナットを付け替えてハブから出る左右のハブシャフトの長さを調整しつつ、ベアリングの玉当たりを出せばこれだけで完成。
これで、ナットタイプのギアード用ハブの完成です。
(メーカー本来の使用方法からは外れてしまうため保証対象外になる場合もありますので、作業の際は自己責任でお願いします。)
クロスチェックなどのスライドできるリアエンドで固定ギアにしていたり、チャイルドトレーラーを牽引したりしている後輪には絶大な効果が得られますよ。
ガチッと固定してみたくありませんか?