絶望の淵から – 外せないトラックコグ
固定ギアのコグとロックリングは親の仇と思って締めろ。と言われるくらい、締めが肝心な箇所です。
外す時は片手でリムを押さえてもう片手で工具にグッと力をかける必要があります。 ということを念頭に置き、最初のハブを見てみましょう。
車輪組みのご依頼で持ち込んでいただいたのですが、ネットオークションで購入したらこの状態で届いたとのこと。 それは、コグが付いているのはスポークもリムもない単体のハブ。
コグやロックリングが付いたままスポークを切ってハブだけの状態にしてしまうと、力を上手くかけることができず簡単に取り外すことができないのです。
ハブを手で掴むのはもちろん、ベルト式の固定工具で押さえて工具に力を入れてもコグが回ることはありませんでした。 歯数の小さいコグであればそのまま車輪組をすることができるのですが、今回は歯数が大きくその方法は実現できません。
そこで、ハブを極力無傷のままコグを取り外す最終手段として、反対側だけスポークを組むことにしました。 こうすればリムで押さえることができるので、ある程度は力をかけることができます。
嬉しいことに今回はそこまで強く締まり込んでいなかったようで、ジワジワと力をかけることでコグが周り始めてくれて外すことができました。 しかし、もっとキツく締まっていたり固着していた場合はハブかコグを別の工具で挟んだり押さえたりするしかないため、両方ともを無傷のまま救い出すことは大変難しいです。
外れて一安心したらもう怖いものはなく、バチッと車輪組みをして大団円を迎えました。
コグを外したことがない…という方は、工具も揃っているレンタルピットで是非やって覚えてみてください。 3月からは応援キャンペーンもありますからね。
というわけで、リムやハブを組み替えようかなーと楽しい妄想を実現しようとする前にご一考を。
明日何があろうとも、好きな子に告白されようとも、絶対にコグやロックリングが付いたままホイールをバラさないで下さいね。 これは全ての自転車屋さんとの約束ですよ。
よろしくお願いします。