人参を千切りするように – 自転車の下ごしらえはフェイシング
自転車の組み立ては料理と同じ
自転車を組み立てると聞いて、思い浮かべることはなんでしょうか。ハンドルを取り付ける、車輪を取り付ける、ブレーキを取り付ける。
勿論これらも自転車を組み立てる作業の中のひとつで、その中でも華やかな作業と言えるかもしれません。
その華やかな作業をする前段階に、地味ではあるけどとても大切な作業があるのです。 料理にとっては下ごしらえに当たる作業なのかなと、めったに料理をしない ともやん が例えてみましょう。
普段あまり見る機会の少ないと思われるフェイシングという作業。
フェイシングで真っ平らに
フェイシングとはヘッドチューブやBB(ボトムブラケット)シェルなどのフレームとパーツが接する面の小さな凹凸や乗ってしまった塗料を削って、真っ直ぐに修正する作業になります。
先程の写真はヘッドチューブの上面を専用工具を使ってフェイシングしているところで、削れているのは断面に乗っていた塗料です。
回転パーツであるヘッドセットがピッタリとフレームに接しない状態で取り付けてしまうと、最後まで入り込んでいなかったり微かに斜めになってしまったりすることがあります。
フレームとパーツの接する面が隙間なく真っ平らになることで初めてパーツ本来の性能が発揮されるのです。
また、自転車の中でも大きな力が加わるBBは、特に確実に取り付いている必要があります。
フェイシングを施して出荷されているものもありますが、一見して判断しづらい場合もあります。 そんな心配なときは不安なまま組み立てせずに、しっかり診させて頂きます。
どれだけキレイに平らになるか気になる人は、フェイシングツールも揃えてあるレンタルピットで作業してみてください。
玉ねぎのみじん切りや人参の千切りなどの下ごしらえを丁寧にやっておくかどうかで、出来上がった料理の味は変わってくるのではないでしょうか。
それは自転車も同じ。
地味な作業に思えるかもしれませんが丁寧に下ごしらえされたフレームがあってこそ、より永く安全に乗れる自転車が出来上がるのです。