踏む、進む、風を切る。
名古屋の夜に暴風を吹き荒らした台風18号が過ぎ去ったあと、ここカルチャークラブには晴天に輝くバイクが姿を現しました。
SOMA/ ソーマのラインナップからは既になくなってしまっている4ONE5は、26インチのシングルスピードATB(オール・テライン・バイク)に位置づけられるモデルです。 細く真っ直ぐに伸びるスチールフレームに太いタイヤのルックスは、どうしてこんなにも魅力的なのでしょうか。
頑丈さと軽さを兼ね備えたタンゲのプレステージというスチールパイプで作られたフレームは、一足踏み込んだ時の加速力と安心感を生み出しています。
シングルスピードという名のもとに生まれた4one5は、リアエンドがトラックエンドになっているのでエキセントリックハブを使わなくてもよいのです。
トラックエンドに挟み込んで使えるディレイラーハンガーを使えばギアードにすることも出来ますが、そんな無粋なことはせずに、攻める時はバイクを左右に振ってガンガン踏む、そんな至極当然なシンプルスタイルを楽しんで頂きたい。 もちろん、シフターやディレイラーが必要ないためトラブルの原因が少ないのも良い点です。
足元はディスクブレーキなので、雨の時や急な下りに出くわしたときでも臆することなく進んでいけます。 リムブレーキと比べると大げさに見えてしまうかもしれませんが、何事も安心安全に越したことはありません。
オーバーホール済みのハブには、なんとWTBのマーク。 本格的なATBとして乗るときには、手にフィットして滑りにくいWTBのグリップで揃えてみてもいいかもしれませんね。
そして何と言っても、目を引くのは綺麗に伸びた長いフラットバーハンドル。
正体はサーリーのチーターバー。 言わずもがななタフさはもちろん、ノーライズで少しだけ手前にスイープしてるので山でも街でもラフなスタイルを叶えてくれます。 こちらは持ち主となる方に合わせてカットするため今はノーカットの長さです。
スチールフレームに合わせたレザーのグリップとサドルがバイク全体を、攻め過ぎず、ゆる過ぎない雰囲気に引き締めてくれています。
既に数人の方に試乗してもらいましたが、「なにこれ!面白い!」とみなさん口を揃えて驚いていました。 僕も乗ってみましたが少しゴツい見た目に反した軽やかさと、ロングなフラットバーハンドルの安定感が「面白い!」と感じさせてくれました。
コミューターバイクとしてであれば170cm前後の方に、野山を駆け走るATBとしてであれば170cm後半の方に合うサイズです。 初めてのバイクとしても裏山遊びのベースバイクとしても、しっかりと応えてくれることでしょう。
アメリカ西海岸のサンフランシスコでモノづくりをする、ソーマならではの遊び心を感じてみてください。
Frame | SOMA Fabrications | 4ONE5 |
Handle | SURLY | Cheater bar |
Stem(USED) | SimWorks | Rhond |
Grip | Portland Design Works | Bourbon Grip |
Saddle(USED) | BROOKS | Swift Chrome |
Wheel(USED) | WTB | Complete wheel(振れ取り、グリスアップ済み) |
Tire | Front 26″x2.00 | Rear 26″x1.95 |
Gear | Front44t / Rear18t | Gear ratios : 2.444… |
カルチャークラブでは、“まだ使える、今こそ使える、これってアリじゃないか”という愛情と閃きを持ってメンテナンスをしたユーズドのパーツと新しいパーツを組み合わせて、リーズナブルかつ面白いバイクを生み出しています。
実はまだ出し惜しみをしているフレームたちがいます。 涼しくなり乗りやすくなる秋に向けてバンバン組んでいきますので、お楽しみに。