直せるものなら直したい
長く自転車に乗っていると絶望的な瞬間に遭遇することがあります。
それは自らの不注意で起こることもあれば、不運としか言いようのない事故によることもあります。
「フレームの損傷」という一大事。
まさに自転車本体であるフレームというパーツ。
他のパーツが壊れたのであれば交換すれば良いのです。
それで大体の場合、自転車は直ります。
でもフレームというパーツが壊れたら?
交換?
それは、もう違う自転車になってしまう。
そう考える方も多いと思います。
レース現場で使われる自転車であればフレームも交換です。
レースという限定された状況下で使用するフレームに対して修理などという選択肢はありえません。
なぜなら、そこではフレームも消耗品ですから。
でも、とても思い入れのあるフレームが壊れた時はどうでしょうか?
長い時間を共に過ごし多くの思い出を共有してきた”友”といえるようなフレームであれば直せるものなら直したい。
そう思うのが人情ですよね。
自転車屋としてそんな思いには出来るだけ応えたいと思います。
ただ、これだけは知っていてください。
一度、壊れたフレームは元には戻りません。
どんなに綺麗で見た目完璧になっていても元通りではないのです。
金属のフレームであれば修理において熱を加えることになり素材の変性は避けられません。
カーボン等であれば、シートの構成や積層が変わるため設計者が意図した乗り味ではなくなるでしょう。
でも・・・
それでも・・・
そう思った時は、声をかけてください。
どうにもならない事もあります。
予算と時間が折り合わないこともあります。
でも「もう一度こいつに乗りたい」と思った時、
壊れたフレームの目の前で途方に暮れた時、
ぜひ相談してください。
できるかぎり力になりたいと思っています。
ただコレは忘れないで下さい。
壊れたフレームは元には戻りません。
だからこそ、普段から大事に使ってくださいね。
よろしくお願いします。
これは修理させて頂いたフレームの一例です。
もしもの時は、参考にしてください。
(トップチューブ交換)
(ブレーキ台座、取付け)
(凹み補修)