再認識は山に囲まれて
この間の定休日、僕は故郷の長野市へ帰省をしていました。
大学生の頃は「この青い看板に従って行けば着くだろう」と国道19号 a.k.a. 木曽高速をなぞって自走で帰省をしていましたが、時間も限られていたので今回は電車を利用。 名古屋を出発して岐阜県の中津川市を越え始めると車窓を自然の色が広く占めていきます。 山間を走る特急で3時間は早いのか遅いのかは微妙なところですが、日々の考え事を整え直すには丁度良い時間でした。
約1年振りに降り立った信州の地はカラッとした暑さ。
もともと長野駅は仏閣型の駅舎でしたが橋上駅と改築され、僕が高校を卒業して名古屋で自転車に興じていた間に、門前町と調和する大きなヒサシと太い列柱が構える様になっていました。 「知らないうちに立派になったな…」などと感慨深くなりつつ輪行してきた自転車を組み立てます。 そう、帰省のお供はいつも自転車です。
その理由は、走るのが好きだからどこへ行くにも自転車ということに加えてもう一つ、「街を移動するのに最適」だからです。 良く言えば観光地、一般的には田舎にカテゴライズされる長野市は私鉄や電車はあれど、行きたいエリアには伸びていない現状があります。
かと言って、自転車が正義ということもなく信濃の国の坂道は平気で牙を向くのでした。
「中高生の頃はママチャリでよく走っていたなー」と駅から実家までの20分くらいのアップダウンな道中を懐かしみつつ、名古屋との地形の違いを実感しました。
コンパクトシティと称される名古屋、コインパーキングも大体あれば、ベッドタウンから中心街まで地下鉄が走っているため生活の足としては困りません。 しかし、ギュウギュウに詰められる満員電車、自由に寄り道も出来ず、好きな時間に移動することも制限される日々は考えるだけでも参ってしまうかもしれません。
やはり、街を移動するのは自転車が、しかも街を走るのに適したコミューターバイクがオススメです。
レースバイクともなれば、重たいパーツを避けなければならないような風潮があったりします。 でも、街を走る自転車に決まった枠なんてありません。 そうです、コミューターバイクには自由が溢れています。
変速機があってもなくても、ドロップハンドルでもライザーバーでも、大きなカゴがあっても何一つ問題はありません。
知り合いの人や雑誌、時にはイカしたムービーの中に一瞬映った自転車を発見して格好良いアッセンブルを考えることもしばしばあることと思います。
同時に、同じフレームやパーツが必ずしも手に入ることもなければ、100パーセント自分の好みでないことにも気付きます。 しかし、そこからがコミューターバイクを作るなかで最も楽しいフローになっていきます。 いわゆる醍醐味というやつです。
インディーズのバンドを聴いたりローカルグループのTシャツを着たりするように、自分で理由を見つけて選んだものが何よりも最高に格好良くはなっていませんか?
どんなパーツを使おうか、これは使えるのか、あんな組み合わせもアリなのか。 考えることは様々ですが、自らのセンスを信じてコミューターバイクという自転車におけるひとつの答えを見つけてみてはいかがでしょうか?
そしてそれが、起点となるか終着となるかは試してみなければ分かりませんが、あなたのライフスタイルのコンパスがより良い道を示してくれることは間違いないですよ。