しっかり止まるために、滑らせます。
何事もそうですが、スムーズに事が運ぶということはストレスを感じないし、一番気持ちがいい理想な状態。
自転車も同じで何か引っかかりがあると故障や異音の原因になり、それを不快に感じる自分がいるでしょう。
完成したら見えないけど、大事な作業。
チェーンやスプロケット、ハブなどの回転部分など動く箇所はたくさんありますが、今回はカンチ台座というブレーキの台座についてのお話です。ちょっとニッチですが大事な内容ですのでぜひご一読ください。

カンチ台座とは上記の写真の2本前方に飛び出している部分です。この円柱の中にネジが切ってあり、カンチブレーキやVブレーキを装着するための台座なのですが、ここはブレーキ本体と擦れる部分でもあります。
今回組み立てたバイクの台座は見ての通りサビが浮いているのと、少しわかりにくいですが先端が外へ広がってしまっています。

このままでもブレーキは動くのですが、左右のバランスがうまく取れずブレーキがリムに当たりっぱなしなったり、ここから錆が進行して台座自体が使い物にならなくなることも。
ですのでしっかり動くようにと、今後も長く使えるように下処理を施します。
ここを紙やすりとコンパウンドで綺麗にしてあげるとこの通り。

とっても細かいですが、変化したのがわかりますでしょうか?この小さな違いがブレーキの感覚や物持ちの良さにも実は影響してきます。
さて、綺麗になった台座に潤滑と錆防止を目的としたグリスを塗布して本体を固定。

完成してからは見えない部分ですが、この一手間のおかげで長期間スムーズな動きをしてくれますし、錆の心配もひとまず安心。(それでも2、3年に1回はチェックをお勧めします。)
そしてブレーキがスムーズに動くということは微妙な力のコントロールもできるということなので、咄嗟の急ブレーキや下り坂で安全に走ることができるということ。
皆さんに安全に楽しく乗ってもらうためにも僕らが組み立てるバイクはこういった目には見えないけど、大事な部分にしっかり手を加えて組み立てています。

店頭にて販売中のコンプリートバイクはもちろんのこと、お持ちのバイクのカスタムや修理も同様にしっかり手を加えさせていただきます。
ぜひカルチャークラブまでご相談ください。
