BIKE to 九州CX
小学生の頃は飛行機といえば高級な乗り物で、貴族のための私立学校では修学旅行で飛行機に乗るらしいという噂にたまげたりしていたし、自由に乗れるようになった最近になっても、自転車を飛行機に持ち込もうとすると、2万円のオーバーチャージを払う上に、蹴ったり投げたりされ、ボコボコになって出てくるという話もあって、飛行機に対する心理的ハードルはその飛行高度なみに高かったのです。
しかしどうやら、そういった話はすでに過去のものとなり、路線バス的航空サービスLCCなら電車や車より圧倒的に安くなり、多くの人柱のおかげ(?)で航空各社も自転車はやばいと思ったのか、たいそう丁寧に取り扱ってくれるようになりました。(たぶん。)
子供の頃から刷り込まれ、凝り固まったイメージというものはなかなか覆し難いものがあるのだけど、自転車とは正反対の性能と性質をもつ飛行機というものをうまく使う事ができれば、ライドの幅はとても広がるはず。ということで、電車の特急ぐらいの感覚で使ってみようと思っているわけです。
私は大阪と京都を結ぶ京阪電車沿線、大阪のザ・郊外団地で生まれ育ったのですが、当時は京阪特急も新しい世界(都会)につれていってくれるちょっと特別な存在でした。
そして、大阪の人間からすると、今回の目的地、九州博多はさらに特別な意味を持ってます。
大阪人なら誰しも、東京をはじめとする関西より東側には何となくいちゃもんを付けるネタがあるけれども、西の方に関しては、なんかうちらより“安くて”旨いもの食べてるかもしれん、という事で、どちらかというと畏怖の念があったりするのです。知らんけど。
歴史的にも、我が地元北河内や隣の奈良で日本という国を作った大和朝廷のルーツはだいたい九州に端を発していて、女王卑弥呼が治めた邪馬台国も九州説が濃厚になりつつあるし、古事記や日本書紀でお馴染みの神々も九州各地を巡った後に、国東や宮崎からジャンプして伊勢に着地するストーリーとなっていて、とにかく何事にも先んじていて、足を向けて寝れないイメージなのでした。
BIKE and FLIGHT to…
これまで行った事がなくて、距離的にも精神的にも遠いそんな場所に行こうと思ったのは、九州シクロクロスが開催されるからでした。セントレアから往復17,000円(自転車持込みのアップチャージ含む)。博多から会場の原鶴温泉まで自走で約50km。野辺山や関東方面に行くより簡単に行けそうです。(ところがどっこい。。。)
その他の交通手段の場合
新幹線料金 名古屋-博多 往復 36,680円
高速バス料金 名古屋-博多 往復 約17,000~19,000円
1月13日(土)
お昼過ぎまでサークルズで仕事をして、そのまま自走でセントレアを目指します。大陸から呂布なみの冬将軍が来ているらしく、出発する頃にはすでにかるく吹雪いていて嫌な予感。うっかり247号の自動車専用道路に載ってしまいそうになりながらも常滑方面に進むのですが、次第に雪は激しくなり、空港周辺は一面銀世界でした。
セントレア空港至近に引越したチャリ研ダーティーが、太宰府に流された道真公よろしく、いたずら魔術を使っているのかもしれないとあらぬ嫌疑をかけつつ、体に積もった雪を払いながら凍える手で自転車を分解し、イオン常滑から空港行きの無料送迎バスに乗り込みます。
飛行機輪行のノウハウに関しては長くなるので、前回のミャンマーから合わせてまとめたいと思っているのですがまだ叶わず。もう少し経験を積みたいところです。
雪の影響で1.5時間押しで福岡空港に到着。なんと空港から博多都心まで自転車で10分です。最高です。博多は飛行機で行きましょう。(サークルズからセントレアは自走+バス2.5時間でした。)
22時過ぎ、ゲストハウスのドミトリーにチェックインして、すぐに繁華街へ。事前にSNSで博多オススメを聞いて教えてもらったお店に直行します。ありがたいことに何人もの人がオススメを教えてくれたのですが、みんな違うお店を推していて、博多の名店の多さがうかがえます。
1月14日(日)
朝5時に起きて、まずは太宰府天満宮へ。大阪最大のお祭りである天神祭を行う大阪天満宮の総社。ルーツです。詣でざるを得ません。ちなみに猛吹雪で、すでに数cm積雪してました。かの有名な梅もどれか分からず。
東に山があって朝が暗い事から名付けられたという説がある朝倉街道をひたすら南東へ。しばらくして明るくなってくるのですが、雪は止みません。こちらは本物の道真公がお戯れになっているご様子。。
東北シクロクロスかな?というぐらい真っ白の筑後川沿いの原鶴に着いたのは朝8時20分頃。9時10分からレースです。
個人的結果はおいといて、「シクロクロスは会場にたどりついてスタートできた者はみな勝者」というTKC名言を独りごちます。
スポークが凍って太くなり、ブレーキもたまに動かさないと固まって効かなくなります。
九州シクロクロス
http://www.kcxmtg.com/
九州シクロクロスのシリーズ戦が始まると聞いて、参加したいなと思ったのは、正屋さんやMOZU COFFEEさんといった方々が主催しているからでした。
上位クラスを目指してAJOCCの公式レースを走るのも好きですが、結果を求めるなら地元東海や関西で十分です。シクロクロスは勝つためだけではなく、祭りを楽しむ感覚で参戦するのも面白いのです。
そうなるとAJOCCかどうかよりも、どんな人達がどんな楽しみをもってやっているのかがとても重要です。
大会のグラフィックデザインがかっこいい、丹野さんをはじめ参加者の撮る写真が凄い(タグは#kcx,#kcxmtg)、ハンドドリップしてくれるコーヒーの出店がある、レース会場が良い場所、スタート・ゴールの合図を女王卑弥呼様がやってくれる等々。
こういう事は普段からどういう遊び方をして、そこにどういう人が集っているのかが如実に出るので、簡単な様でいてなかなかに大変です。前橋CXや、ちょっと別格ですが野辺山CXなんかもそうですが、レースポイント関係なしに、楽しそう!行きたいな!と思わせる人や場所や内容の魅力があるのは本当に凄いなと思います。
34代目の女王様は美しかった。かつて邪馬台国は朝倉市にあったと確信しました。
寒くて熱いレースとなった九州シクロクロス第二戦、原鶴ステージのフォトギャラリーをアップしました。
お知り合いが写ってる画像がありましたら、タグ付け、シェアなどご自由にどうぞ。
こちらのオフィシャルウィブサイトにもアップしていますので、合…
九州シクロクロスさんの投稿 2017年1月16日
丹野さんの美しい写真の数々はぜひ拡大してご覧ください。
会場の隣は原鶴の温泉街。温泉激戦地の九州にあって埋もれてしまっているのが残念ですが、日本有数の泉質&湧出量を誇る原鶴温泉。伊豆の温泉を知っている身としても、ここの無濾過/無加水/無加温でお湯が余りまくっている植物園みたいな浴室は衝撃的でした。
参加者入浴料割引でサポートしてくれたやぐるま荘さんで、吹雪とレースで凍えた体を超回復できました。
会場にいた愉快な人達の話とか、レース後にカッパ伝説の地から輪行した事とか、JR九州のデザインとか、夜中に走り回った博多の街の事とか、美女が多かった事とか、宿の事とか色々と書きたいのですが、だいぶ長くなってしまったので、大変申し訳ありませんが、知りたければ直接行ってみて!という打ち切りエンドにさせていただきたいのですが、とにかくシクロクロス遠征1回でこれだけ楽しめたのは本当に良かったし、ほとんど知り合いのいない人見知り単身飛び込み参加に対して温かく迎えてくれた九州のシクロクロッサー&マウンテンバイカーの皆様、本当にありがとうございました。もっとゆっくり話したい人や行きたい場所がいっぱいなのでまた行きます。
泊まった宿
食べた店
http://nagahama-yamachan.jp/tenjin.html
元祖長浜屋
http://www.ganso-nagahamaya.co.jp/
餃子李
http://gyouza-lee.com/
シクロワイアードのレースレポートはこちら
http://www.cyclowired.jp/lifenews/node/221633
さて次の開催は、、、
最後にひとつだけ。
最終日の15日(月)、朝10時のフライト前に空港よりも遠い港の方へ建築見物にでかけました。福岡アイランドシティにある伊東豊雄の「ぐりんぐりん」と、その近くにある磯崎新プロデュースの元祖デザイナーズ集合住宅ネクサスワールド(OMA、Steven Hole、石山修武、他)です。どうしても行きたかったという気持ち、建築好きなら分かってもらえますよね。
それで、なんと、名古屋に帰ってきてからしばらくして九州シクロクロス第4戦の開催地として発表されたのがアイランドシティ!!!こっちでも良かったかも!!!今回めっちゃ寒かったし(泣)!!!
九州シクロクロス第4戦 アイランドシティ
2017年2月26日(日)
http://www.kcxmtg.com/island-city
みなさま是非、飛行機輪行で。
まだ間に合います。
JET STAR (成田,名古屋,関空)
http://www.jetstar.com/
PEACH (関空)
http://www.flypeach.com/
あと、飛行機輪行といえば、こちらもお忘れなく。
一人でも参加者がいれば私が全力でアテンドしますので。
BIKE to 森、道、市場 (セントレアルート)
http://circles-jp.com/bike-to-morimichi/
SimWorks / Circles
もんじゃ