スローバーニンマン2022
どうやら世界的にレイヴカルチャー的なものが再興しているらしい。
レイヴとはなんぞや?というのは、”レイヴ 歴史”でググって最初の5つぐらいの記事を読めばだいたい書いてある。その背景には社会不安があるとかなんとか…そんな事はどうでもいいし、90年代後半から日本でも流行ったそれからはだいぶアップデートされているけれど。
自転車はそれそのものでひとつの文化を形成しているし、純粋な自転車イベントやレースはもちろん楽しい。一方で、その予定調和からはみ出すミックスカルチャーのイベントも面白いのは間違いないし、新しい物事はそういった異文化の衝突と融合からこそ生まれてくる。ロンドンでレイヴが生まれた背景にレゲエの影響が色濃いように。
自転車とレイヴが融合したイベント”スローバーニンマン2022”が西伊豆の新しいキャンプ場モグラで開催された。主催しているのはメッセンジャー達だ。
4日間一度も鳴り止まなかった音楽。雨で泥々になったレースコース。巨大スクリーンに映し出されるムービー、美味しいフード、ライブペインティング、そして神々しい富士山。決して快適とはいえないけれども、エネルギーに満ち溢れたイベントで、純粋に遊ぶ事の楽しさを久々に感じた。
音楽がレイヴとして都市の箱の中から自然の中へはみ出していったように、自転車も都市の移動手段から山での遊びへ、アスファルトからグラベルやトレイルへはみ出して行くさなか、レイヴカルチャーとの邂逅は必然であったと言えるのかもしれない。
そしてやはりそこに来る参加者が良かった。第一回のよく分からない内容に直感で面白いと感じ、パッと移動してこれる人達のみの集まりである。サバイバル能力が高いのは当然だ。
終わった後の片付けの話を聞くと、次回があるのか不安になるけど、主催のトイドッグによると、来年のCMWC横浜の前にもう一度開催し、それが日本で最後。その次は2024年にメキシコで開催するそうだ。
自分が好きだったレイヴカルチャーは、え?そこでやる?みたいな、場所の遠近をもろともしないフットワークの軽さだった。今回も帰る方法を全く考えないまま参加している若者もいたけど、そう、その心意気である。次回を楽しみにしている。
Photo by @sanumoto